欧州共通農政(CAP)改革:仏政府が国内プランを提示、各方面とも反対

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ドノルマンディ農相は21日、農民団体や環境団体の代表者らを集めた会合の機会に、欧州連合(EU)共通農政(CAP)の制度改正に伴う国内制度の改正について、計画案を提示した。主要団体は揃って、それぞれの立場から改正案に反対した。
CAP改革は2023年に施行される予定になっている。新制度の下では、EUの補助金の分配方法について、加盟各国の裁量権が強化されることになっている。農相は、「グリーンボックス」などと呼ばれる環境配慮型の農業への支援への配分を強化することを提案したが、農民団体FNSEAは一部の農業経営体にとって補助金の削減につながるとして難色を示し、環境団体の側では、十分に野心的な内容ではないとして反対した。
環境配慮型の農業に対する支援の配分をどうするかは、まだEUのレベルで決められていないが、直接補助金の20-30%が振り向けられるものとみられている。ドノルマンディ農相は、環境配慮の度合いに応じて2段階を設定し、そのいずれかに分類される経営体が、大規模耕作の分野で79%に上るとの試算を示しており、十分に包摂的だと強調している。
オーガニック農業への支援も争点になっている。農相は、2027年までに全農地の18%をオーガニックに転換するとの目標を設定し、転換支援に3億4000万ユーロの予算を設定したと強調しているが、オーガニック農業団体の側では、転換後の経営体への支援が削減されたことを問題視している。