消防団員が暴走自動車にはねられる事件が5月10日早朝に発生した。事件は週末に大きく報道され、反響も大きかった。
事件はエビアン市(オートサボワ県)で発生。事件当時、消防団の建物近くの駐車場で2台の自動車が曲乗りのような危険運転を行っていた。ちょうど夜間勤務の交代時で、消防団建物に詰めていた5人の団員が外に出て、暴走自動車を撮影して通報する準備をしていたところ、一方の自動車が消防団員のうち1人に意図的に衝突した。団員は数メートル跳ね飛ばされ、意識不明の重態で病院に移送された。衝突した自動車を運転していた犯人は1時間後に逮捕され、もう一方の自動車を運転していた男も10日午後に逮捕された。
被害を受けたのはニコロ・スカルディさん(38)で、大型トラックの運転手として勤務する傍ら、12年前から志願して消防団員を兼務してきた。重篤な状態が続いている。逮捕された容疑者シャルリ・Bは19歳で無職。飲酒運転や無免許運転、麻薬所持などで数回の逮捕歴があった。報道によれば、容疑者は地元の名士一族の出身。ルタイヨー内相は10日の時点で、現場で救命処置を行う団員らの前に、容疑者は2度に渡り戻ってきたと言明しており、卑劣な犯罪であると特に強調していた。容疑者は12日の時点で予審(担当予審判事が起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続き)の開始通告を受け、勾留継続が決まったが、意図的に衝突したわけではないと犯意を否定しているという。