教皇フランシスコ、コルシカ島を訪問

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

ローマ教皇フランシスコが15日にコルシカ島を訪問した。同日朝にローマからコルシカ島に航空機で到着。野外ミサを挙行するなどの行事をこなし、同日夜に帰国した。
フランシスコは2013年に即位以来で、フランス訪問は2014年のストラスブールと2023年のマルセイユに続いてこれが3回目。ローマ教皇がコルシカ島を訪問するのは、これが史上初だという。フランシスコは、12月初めのパリ・ノートルダム寺院の再開記念式典には列席を見合わせて、代わりにこのコルシカ島訪問を決めた。その背景には、アジャクシオ司教を務め、2023年に枢機卿に就任したスペイン系のフランソワ・ブスティリョ氏の働きかけがあったといわれる。フランシスコはブスティリョ枢機卿を重用しており、パリ訪問にあえて応じず、仏政府との関係を損なっても枢機卿に対する信頼の念を態度で示すことを選んだ。ルモンド紙は、コルシカ島独立派と、「カトリック民族派」と呼ぶべき勢力の間には近い関係があると論じている。フランシスコは、今回の訪問の機会を通じて、政教分離の柔軟な運用のあり方を称揚し、コルシカ島をそのモデルとして挙げており、フランス政府の政教分離に関する方針とは少し離れた立場を表明した。
コルシカ島では、住民の8割以上がカトリックと答えている土地柄もあって、教皇は強い歓迎を受けた。マクロン大統領は、フランシスコの帰国前に短時間の会談を行い、ノートルダム寺院式典欠席を巡るぎくしゃくした雰囲気を払しょくするべく努め、フランシスコもこれに応じた。