パリ市はZTLと呼ばれる車両通行制限地区の設定を決め、4日付で施行した。パリの中心部を対象に、地区内にとどまらずに通過するだけの車両は、通行を禁止される。
ZTLに指定されたのは、パリ1区から4区までのほぼ全域で、これは、セーヌ川右岸に位置する中心部に相当する(約5.5平方キロメートル、人口は10万人)。ただし、セーヌ川の中州であるシテ島とサンルイ島、そしてセーヌ川沿いの一部河岸は対象外となる。この地区内を通行できるのは、救急車両やタクシー・配車サービス車両、路線バスなどに限られる。乗用車については、この地区内を起点とするか、終点とする車両のみが通行を許可される。住民やこの地区に通勤する者がその対象となるが、地区内の商店・飲食店等を訪れる人も、自動車での通行を認められる。それを証明する書類(商店のレシート等)の携行が義務付けられる。違反摘発がいつ開始されるか、また、その様式がどうなるかはまだよくわかっていない。
パリ市は、同地区を走行する車両が1日当たりで35万-55万台に上るが、そのかなりの分は地区内を通過するのみだとし、地区内の大気汚染等を引き起こす要因になり、また、自転車等の利用を妨げる要因にもなっているとの理由を挙げて、この規制導入を正当化している。地区内の商店等は、客足が遠のく恐れがあると懸念を示している。