電力・ガスの小売業者、料金競争を活発化

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

電力・ガス供給事業者の間で料金競争が活発化している。エネルギー卸市場の価格低下を背景に、各社が顧客獲得で料金を引き下げている。
当局機関のCRE(エネルギー市場規制委員会)の最新の集計によると、電力の場合、規制料金以外の自由化市場における契約では、前年と比べて料金が20%近く下がっている。電力規制料金より安い契約の数は、2023年末には30だったが、3月末には45まで増えた。ガスの場合はそれよりは小幅な低下だが、それでも前年比で7%の値下がりを記録している。3割の契約が(2023年半ばの規制料金の廃止後に代わりに導入された)標準料金より安い設定になっているという。
エネルギー自由化市場は、2022年のエネルギー高騰に伴い、機能不全に陥っていたが、この数ヵ月間では回復が著しい。電力では、個人ユーザーの契約の40%に相当する1380万ユーザーが規制料金外の契約となっており、旧独占事業者EDF(仏電力)以外の業者との契約が全体に占める割合も、2023年末の29.2%が3月末には29.4%へ上昇した。ガスでは、旧独占事業者エンジー以外の業者との契約が3月末時点で全体の44.4%を占め、3ヵ月前の43.9%から増大した。ただ、業者を乗り換えた世帯が全体に占める割合は、ガスで2.7%、電力で2%と、2022年のエネルギー高騰前の3-4%と比べてまだかなり低い。家計がこれまでの混乱に懲りてか、乗り換えをためらっている様子がうかがわれる。