極右RNに欧州国境沿岸警備機関のレジェリ元局長が合流

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極右政党RNは、6月9日に投票日を迎える欧州議会選挙に向けて、欧州国境沿岸警備機関(FRONTEX)の局長を務めた高級官僚のファブリス・レジェリ氏を候補に擁立した。筆頭候補のバルデラ党首はレジェリ氏を伴い、19日に南仏を遊説のため訪れた。
レジェリ氏は55才で、2015年から2022年まで欧州国境沿岸警備機関の局長を務めた。NGOから渡航者らの違法な排除を行ったと告発され、内部調査の対象となったことに伴い辞任していた。レジェリ氏は、保守野党の共和党からも接触を受けていたとされるが、極右RNの申し出を受け入れた。
RNは、前回の欧州選挙では第1党となっており、今回の選挙でも、世論調査で29%の支持率を確保してトップとなっている。南仏地方では、エリック・ゼムール氏が率いるもう一方の極右政党「ルコンケット」の勢力が強い。ルコンケットが議席獲得に必要な5%以上の得票率を達成するには、この地方での伸張が必須条件となる。RNとしては、ルコンケットを排除して票の流出を防ぐことが課題の一つで、移民問題にも敏感なこの地方で、レジェリ氏の力を借りて票を伸ばすことを狙っている。