4-6月期の仏失業率、わずかに上昇

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17日発表のINSEE統計によると、4-6月期の失業者数(ILO基準)は220万人となり、3ヵ月間で2万人増加した。失業率は7.2%となり、0.1ポイントの微増を記録した。
わずかな増加は予想通りだった。現行の失業率は1982年4-6月期以来で最も低い部類に入る。
1年以上の長期失業者数は56万4000人、労働力人口に占めるその割合は1.8%と、わずかな増加を記録した。他方、全体の就業率は68.6%となり、1975年以来で最も高い部類の数字を記録。50-64才の層では0.3ポイント上昇の66.8%と、こちらは1975年以来の最高記録を更新した。
ING銀行のエコノミスト、ドモンプリエ氏は、フランスの労働市場は減速傾向を示しており、失業率はこのあたりで底を打ったとの見方を示しており、今後数ヵ月間で失業率がさらに低下することは見込めないと説明している。
マクロン政権は、任期が満了する2027年の時点で完全雇用を達成することを目標に掲げている。失業率を5%程度にまで引き下げることが必要になる。景気減速の流れの中で、これ以上の失業率の引き下げには努力が必要で、政府は、設立予定の新組織「フランス・トラバイユ」の下でのテコ入れに期待している。その一方で、ベビーブーマーの退職と人口ピラミッドの変化により、このままのペースで失業率は5%程度にまで低下するとの見方もある。