蓋を開けてみれば

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

原子力発電所の多くが保守のために運転を休止し、冬季の電力不足が懸念されていたフランスだが、蓋を開けてみればなんのことはない、異例の暖冬のおかげで電力はむしろ余り気味で、国外に輸出しているほどだ。過剰発電を避けるために原子力発電所を休ませるほどの余裕があるという。これが気候変動の直接的な顕現なのかどうかは知らないが、今冬に関する限り、暖冬はありがたい。ウクライナでも暖冬のせいで、地面が凍結せず、ぬかるんだままであり、戦車などの重車両を用いた地上戦には向かないため、戦況は当面膠着状態が続くとみられている。これがどちらの陣営に有利な状況なのか分からないが、その分戦争は長引くわけで、憂鬱な話だ。それにしても、戦争の影響で世界的に穀物不足が生じると懸念されていたが、なんのことはない、実際には穀物は供給過剰なほどだというではないか。未来予想というのはたしかに当たらないことが多いが、これほど近い先のことすらわからない世界に我々は生きているわけだから、楽観しすぎず、悲観しすぎず、不確かな情報に惑わされず、あれこれと考えすぎずに生きていくのが賢いのかも知れない。