新型コロナウイルスの追加対策、主に1月3日から適用

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カステックス首相は27日、ベラン保健相を伴って記者会見を開き、新型コロナウイルス対策の強化について発表した。踏み込んだ制限措置の導入は見送った。
政府は同日、「衛生パス」を「ワクチンパス」に鞍替えする内容の法案を閣議決定した。国会審議が1月3日に開始される予定となっている。法案は、「衛生パス」による入場制限等が適用されている場所について、「ワクチンパス」とすることを求める内容であり、現在のように検査陰性では入場が認められないことになる。さらに、一部の場所では、ワクチンパスに追加して検査陰性を求める形になる。その対象は固まっていないが、ディスコ・ナイトクラブが対象になるものと予想されている。政府は1月15日にも施行することを目指している。
政府はこの法案とは別に、屋外でのマスク着用を義務付ける権限を、各県の県知事(国が任命する行政長官)に付与することを決定。これにより、パリやリヨンを含む主要都市の多くで、市街地や市の全域などを対象とする着用義務が既に導入された。
また、大規模イベントの人数制限も再導入され、屋内では2000人、屋外では5000人が上限となる。コンサートやスポーツイベント等においては、観衆に着席が義務付けられ、館内での食品・飲料の販売は禁止される。また、飲食店等においても、立食は禁止される。さらに、長距離列車を含めて、公共交通機関内の飲食も禁止されることになった。これらの措置は1月3日より3週間を期限として適用される。
このほか、自己診断検査キットの販売が、2022年1月末日までの時限措置として、薬局以外(主にスーパーマーケット)で認められることになった。他方、学校の授業は予定通りに1月3日に再開される。延期は見送られた。ただし、屋外を含めたマスク着用義務の適用対象は、3日より「6才以上」へと拡大される。これまでは「11才以上」だったが、今後は6才以上の子供にも着用義務が適用される。
就労については、可能な限りで、週3日以上のリモート就労が1月3日より3週間にわたり義務付けられることになった。期間は延長される可能性もある。その他の衛生措置については従来通りに継続される。この規定に違反した罰則としては、違反1人につき1000ユーロ、1社最大で5万ユーロの罰金が適用される。