ワクチンパス導入法案、下院で最終的に可決

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下院は16日、ワクチンパス導入法案を賛成多数で最終的に可決した。野党議員団は法案に反対して複数の違憲審査請求を憲法評議会に対して起こしており、新法が施行されるのは21日頃となる見通し。
法案は、「衛生パス」を「ワクチンパス」に鞍替えする内容。現在は、ワクチン接種完了に加えて、検査陰性も制限区域内への入場等の要件として認められているが、これがワクチン接種(6ヵ月以内の治癒証明を含む)に限定される。なお、「ワクチン接種済み」の定義は、去る15日より「3回接種より1週間経過」に改められている。レストラン等の入場、地域圏をまたいだ公共交通機関の利用など、「衛生パス」による制限がそのまま「ワクチンパス」案件となる。ただし、この制限が適用されるのは16才以上に限られ、この年齢は、保護者の承諾を必要とせずに接種を受けられる最低年齢に一致している。
国会審議において争点となったのが、レストラン等による顧客の身分証確認(ワクチンパスの名義人と所持人が同一であることを確認する)だが、結局、疑いがある場合に確認を求める旨が定められた。保守野党の共和党が提出した修正が通り、写真がある身分証(免許証、保険証など)の提示で確認することが認められることになった。
リモートワーク義務違反の企業に対する罰金処分については、罰金額が違反1人につき500ユーロと、当初案の半額に削減された。偽造パスを使用した者に対する罰金額は、現在の135ユーロが1000ユーロへ引き上げられた。