タクシー業界、全国で抗議行動:患者移送サービスの料金改正に反対

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タクシー業界は19日、全国で抗議行動を行った。健保公庫(CNAM)が前週に提示した患者移送サービスの料金体系改正などの提案に反発して、業界5団体が揃って抗議行動を行った。ノロノロ運転や、道路車線の封鎖といった抗議行動が行われた。
CNAMが提示した改正案は、患者移送のタクシー料金体系について、「1回当たり13ユーロ(大都市圏については割り増し)プラス距離に応じた料金(県単位で決定)」に一元化し、身障者の移送の場合など、一部の業務について割り増しを適用するという形に改めることを提案している。これにより、特に農山漁村地方を中心として3分の2の県において料金は上昇、残る3分の1の県では低下するが、CNAMの側では、復路が空車となっている現在の状況を改め、復路も乗客をとるようにすれば運転手の収入は増加すると説明。相乗りも増やせるように、中央管理型の配車手配の仕組みを整えて、最大限に効率化することで、健保公庫の負担を減らしつつ、タクシー運転手の収入も保障できる体制を整えると約束している。不正防止を目的に、車両の位置情報を統合した料金請求システムの導入も進める。CNAMは政府の承認を得て、新制度を10月1日付で施行することを目指している。
患者移送の費用負担は2024年に64億7000万ユーロに上り、うち30億7000万ユーロが契約先のタクシー向けとなっている。2019年比で45%の大幅増を記録しており、CNAMは、人口の高齢化だけでは説明できない増加だとし、合理化が必要だと強調している。これに対して、タクシー業界は、料金が長年にわたり据え置かれており、このままでは業界は立ち行かなくなると主張。改正案はとどめの一撃になるとして、その見直しを要求している。