共和党(保守)は19日、党員を対象とする党首選挙の結果を発表した。ルタイヨー内相が74.31%の得票率を達成、ボキエ下院議員団団長の25.69%に大差をつけて選出された。
共和党はかつての保守大政党だったが、現在は極右勢力に押されている。長らく野党暮らしだったが、2024年の解散総選挙後には、マクロン大統領を支持する勢力が率いる内閣に加わり、少数政権の運営に協力している。今回の党首選は、2027年の大統領選挙もにらみつつ、党勢の立て直しを目指す一歩となるが、党首選を前に党員登録をする人が大きく増えており、メディア露出も含めて党首選はひとまず成功を収めた。
当選したルタイヨー内相は64歳。バンデ県出身で、地元の右翼政治家フィリップ・ドビリエ氏の下で政界に乗り出し、2010年に現在の共和党の前身であるUMPに入党。2014年に上院議員団団長に就任した。2017年の大統領選挙ではフィヨン元首相を支持。党内ではタカ派に属し、内相として入閣して、タカ派アピールを続けたことが、右寄りに振れる党内の支持を吸い上げることに貢献した。もっとも、対立候補のボキエ下院議員団団長も、右寄りの姿勢で知られ、主張の点では両者に大きな差はなかったが、党員らはルタイヨー内相を強く支持した。
今後は、2027年の大統領選に向けた候補者擁立の行方が一つの焦点となる。ルタイヨー内相は、右派からマクロン支持に転じたフィリップ元首相との関係も良好で、元首相の立候補の支持に回るかどうかが注目される。足元の課題としては、予算法案の準備があり、ライバルだったボキエ下院議員団団長の協力を取り付けて、党内の結束を維持できるかどうかがポイントになる。