トランプ関税砲:保護主義政策の世界規模の経済実験

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

トランプ関税砲、などと言われる米国の追加関税が株式市場の暴落をはじめとして、世界経済に大混乱をも
たらしている。迷惑な話ではあるし、各国とのディールの末に、予告された関税の一部は撤回されるのかも
知れないが、これほどの規模の保護主義的政策を一気に実行に移したのは初めてで、それが中長期的にどの
ような結果を招くのか、(不謹慎かも知れないが)確かめるのが楽しみでもある。人類に素晴らしい未来を
もたらすはずだったグローバル化も、実際に進行するに連れて、様々な弊害が明らかになり、失望を招い
た。関税引き上げによる保護主義はすでに1930年に米国が先鞭をつけ、大恐慌を招いた悪い前例がある、と
はいえ、過剰なグローバル化を経た現在の世界情勢は当時とは異なる。保護主義の悪弊をいっそう厳しい形
で再確認する結果になるかも知れないが、ともかくこれだけ壮大な規模の経済実験に立ち会う機会はめった
にない。もちろん世界規模の経済危機は震えるほど怖いのだが、怖いものみたさ、の心理というか、ちょっ
とワクワクしながら見守るのも一手ではないだろうか?