家禽肉の業界団体ANVOLによると、2024年に仏国民1人当たりの家禽肉消費量は31.6kg(うち24.9kgが鶏肉)となり、前年比で9.8%増加した。過去5年間では15%増を記録した。豚肉(31kg)を抜いて、初めてトップに立ったという。
鶏肉は比較的に価格が安く、購買力懸念の中で人気が高まっている。また、若い世代は、脂肪分が低い鶏肉を好む傾向がある。それだけでなく、イスラム教やユダヤ教は豚肉の摂取を禁じており、コミュニティ中心主義的な傾向が強まる中で、食肉消費が鶏肉に傾いているという事情もある。ファーストフード店でも、フライドチキンの米ポパイズが2023年にフランスに進出して成功を収めたことが象徴するように、鶏肉流行りが顕著で、広く外食店で鶏肉メニューが幅を利かせるようになってきた。
需要の増加に国内生産は追いついていない。国内消費の半分近くは輸入品であり、特にブラジルとウクライナからの輸入が多い。ANVOLによると、対外依存を軽減するには、向こう5年間で400ヵ所の鶏舎を国内に整備する必要があるが、規制や手続き上の困難や、近隣住民の反対などもあり、新規の整備には困難が多いという。