インターネット民主主義ならぬSNSによる愚民社会の現状

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

世界長者番付でトップにランクされるイーロン・マスク氏が自ら所有するSNS「X」を利用して、さかんに
欧州の政治に口出ししている。資産規模が出身国の南アのGDPを上回るといわれる同氏は、20日に発足す
るトランプ政権で大臣に就任する模様だから、完全な私人というわけではなく、それが堂々と他国の選挙な
どに介入して内政干渉を行っているのは、確かに「トランプ的」だ。情報機関の秘密工作による内政干渉な
どはどこの国も行っているので、お互い様だが、SNSが登場して以後は、国境を超えた世論操作や偽情報の
流布を大っぴらに展開することが容易になった。かつては「インターネット民主主義」なるものを唱える脳
天気な人たちがたくさんいて、インターネット民主主義による市民社会の実現に向けた真摯な希望に燃えて
いたことを思うと、SNSによる愚民社会が実現してしまった現状はあまりに悲惨だと言わざるを得ない。