バイルー内閣が成立

投稿日: カテゴリー: アライグマ編集長の日々雑感

フランスのバイルー新内閣の顔ぶれが23日夜に発表された。2人の元首相を含む有力政治家で構成される経験豊かな陣
容だが、政治的な色分けとしては、マクロン大統領に近い中道・右派で固めており、バルニエ前内閣と比べて、議会で
の支持基盤を拡大できてはいない。また法相の人事で極右RNに忖度したとの情報が大きく取り上げられ(首相自身はこ
れを否定)、すでに左派野党は新たな不信任案の提出を予告している。RNはアプリオリには不信任案に賛同しないとし
ているが、予算案や年金改革問題などで政府とRNの対立が強まれば、再び左右の野党の共闘で不信任案が可決される可
能性も除外できない。その場合、マクロン大統領としては次に打つ手がなくなり、完全なレイムダックになる。現状
で、マクロン大統領の早期退陣と大統領選挙の前倒し実施を明らかに待ち望んでいるのは、左翼LFIを率いるメランシ
ョン氏とRNのルペン氏で、両者とも大統領選挙の常連だが、支持率調査通りなら、ルペン氏の勝利が予想される。どち
らが当選しても極端な政策に向かう可能性が強く、フランスには悲報になりそうだ。そこまで先走りしないにせよ、1月
末にまだバイルー内閣が存続しているかどうかも危ぶまれるような状況であることは確かだ。フランス政界は波乱含み
の年末年始になりそうだが、皆さんはどうか楽しいクリスマスと年末年始をお過ごしください。