パリのノートルダム寺院、修復完了で記念式典

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パリのノートルダム寺院の修復完了を祝う式典が7日に行われた。
ノートルダム寺院は2019年4月15日に発生した火災で、屋根組みが焼失して、尖塔が崩落した。内部にも火災の被害が出た。それから5年余りが経過し、大がかりな修復工事を経て、カトリック教会による同寺院の運用再開に至った。なお、1905年の政教分離法の規定により、同法の施行以前に建立の宗教的施設の所有権は国に帰属しており、建物の保守等の責任も国に存する。7日の式典で占有者のカトリック教会に施設が引き渡された。マクロン大統領はこの式典を、国家と国民の結集により実現した大事業の成果と位置付けて、パリ五輪、そして第2次世界大戦におけるフランス解放80周年に関する一連の記念式典に続いて、2024年を締めくくるイベントにすることを望んで、派手な式典に大いに肩入れした。7日の式典には、トランプ米次期大統領を含む一部諸国の要人も列席。寺院前の広場ではコンサートなどのイベントも開かれた。続く8日には再開後で初めてのミサが挙行され、こちらにもマクロン大統領夫妻が列席した。
式典に先立ち、マクロン大統領は大統領府にトランプ米次期大統領を迎えて会談した。両者にウクライナのゼレンスキー大統領が合流し、3者会談が実現した。この会談はマクロン大統領が手配したものだが、トランプ米次期大統領の意向が明確でなく、実現しない可能性もあった。実現によりマクロン大統領は面目を保つことができた。ウクライナ情勢を巡って、トランプ氏はこれまで、短時間で戦争を終わらせるなどと豪語。その一方で、バンス次期副大統領は、ウクライナ向け軍事支援を削減する考えを示しており、ウクライナ側は、自らに不利な和平をトランプ次期政権がまとめあげようとすることを警戒している。ゼレンスキー大統領は会談後、X上で、「良好で建設的な」会談だったとコメント。「戦争をできるだけ早く、正しいやり方で終わらせる」ことと、「武力による平和の実現が可能」であることで、3者の意見が一致したともコメントした。