女性の稼ぎがいいカップルには破局のリスク

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

女性の方が高収入のカップルは離別に至る可能性が高いとする調査結果がこのほど公表された。仏INED(国立人口研究所)が発表した。
この調査では、2011年から2017年の期間に、100万近くのカップルを層別抽出にて選び、所得と離別の関係について調べた。婚姻関係のある者から同棲関係の場合までを含めて調査した。それによると、家計の収入の55%以上を女性がもたらしている場合、離別に至るリスクは11-40%と目に見えて高くなる。収入の差が大きいほどリスクも増大する。この傾向は、あらゆる種類、またあらゆる年齢層のカップルにおいてみられるが、全体に所得水準が低いほど、格差に伴う離別のリスクは高まるのだという。
また、法的な関係の違いにより、収入が果たす役割も異なるという。婚姻世帯の場合、男性の収入が大きいと、関係が安定するという効果が得られるが、同棲世帯の場合は、収入が同等である方が安定性が高くなる。
調査対象のカップルにおいては、男性の方が所得が多い場合が全体の49.3%、同等の場合が20.5%、女性の方が多い場合が13.7%をそれぞれ占めた。収入が男性のみという世帯は全体の14.5%を占め、女性のみというケースは2%だった。離別リスクの調査結果は、フランスのような社会においても、男性が稼ぐという社会的な規範意識が今も残存していることを示している。