ベルギーの組閣交渉が例によって長引いている。6月9日に総選挙が実施され、5政党による連立政権樹立に向けた基本
合意もできていて、第1党の党首を組閣担当者とする協議が1ヵ月半も行われたのに、結局は決裂…いやはや、筋金入り
(?)というか、さすがはベルギーだと感心してしまう。フランスも内閣不在の状態だが、総選挙が行われたのは7月7
日で、空白期間はベルギーよりも1ヵ月短いのに、企業は投資や求人を差し控え、早くも経済への影響が懸念されてい
る。ベルギーが過去に経験したような1年を軽く超える政治空白が生じたら、フランスの慌てぶりはどれほどのものにな
ることやら…想像するだけでおかしい。よく言われるように、第5共和制に入ってからフランスの政界には妥協形成の習
慣がなくなったので、左派、中道、右派が三竦みの現状では、新内閣樹立のめどは全くたっていない。ひょっとする
と、ベルギーを超える政治空白が生じる可能性もありそうだと少しわくわくもしているが(危機状況ほどその国の本質
的なありかたが露呈する機会はないので面白い)、実際にはおそらくマクロン大統領は近日中に実務型内閣の任命でお
茶を濁すのだろう。しかし、できれば、行き詰まりが明らかな第5共和制を廃して次の政治体制を用意する糧としてもら
いたいものだ。