ユーロ圏の景気は停滞、英国の景気は回復

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S&Pグローバルは7月24日、ユーロ圏や英国の7月の総合PMI(購買担当者景気指数)を発表した。ユーロ圏の総合PMIは50.1で、景気の分岐点とされる50をかろうじて上回ったものの、前月の50.9と比べて低下し、直近5ヵ月間の最低を記録した。S&PグローバルのパートナーであるHCOB(ハンブルク商業銀行)のチーフエコノミストは、ユーロ圏経済が7月にほぼ停滞状態に陥ったと指摘。その上で、製造業部門の状況が大きく悪化した(製造業PMIは45.6、製造業PMI生産高指数は45.3でいずれも直近7ヵ月間の最低値)が、その一方で、サービス業は緩やかな成長を維持しており(サービス業PMI事業活動指数は51.9、直近4ヵ月間の最低値)、7-9月期にGDPが成長する可能性はあるとの判断を示した。
ユーロ圏の主要国では、ドイツの総合PMIは7月に48.7となり、前月の50.4から50未満へ落ち込み、直近4ヵ月間の最低値を記録した。サービス業PMI事業活動指数は52.0と直近4ヵ月間の最低値ながら50を上回っているものの、製造業PMIは42.6(直近3ヵ月間の最低)、製造業PMI生産高指数は42.2(直近9ヵ月間の最低)と低迷し、サービス業と製造業の明暗が鮮明になっている。
フランスの総合PMIは7月に49.5となり、50を下回っているが、前月の48.2から大きく上昇し、直近3ヵ月間の最高を記録した。HCOBのエコノミストは、パリ五輪が景気を活性化させていると指摘した。サービス業PMI事業活動指数は50.7(直近3ヵ月間の最高)、製造業PMIは44.1(直近6ヵ月間の最低)、製造業PMI生産高指数も44.1(直近6ヵ月間の最低)と、サービス業と製造業の対比はやはり鮮明。
一方、英国の総合PMIは7月に52.7となり、9ヵ月連続で50を上回った(6月は52.3)。また1-7月の平均値は53.0となった。製造業が特に好調で、製造業PMIは直近24ヵ月間の最高の51.8、製造業PMI生産高指数は直近29ヵ月間の最高の54.4を記録。サービス業PMI事業活動指数は52.4(直近2ヵ月間の最高)で、こちらも50を上回っている。
なお、製造業PMI生産高指数は「貴社の生産高は1ヵ月前と比べて大きいか、同じか、小さいか」という質問への回答を集計したもの。製造業PMIは、新規受注、生産高、雇用、サプライヤー納期、購買品在庫の5項目に関する調査結果を組み合わせたもの。