オルリー空港、2035年へ向け新整備プロジェクト

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ADP(パリ空港公団)は2月21日、2035年をメドとしたパリ・オルリー空港の新たな整備プロジェクトを発表した。プロジェクトについての3ヶ月間にわたるパブコメ(任意)が26日からスタートする。
ADPはこのプロジェクトにおいて、2035年の発着回数を2018年並みの22万9000回/年に抑えつつ、利用旅客数については、より大型の新世代旅客機の登場と座席利用率の上昇をテコとして2023年比で16%の増加を目指す。また、脱炭素化の推進が構想の柱となっており、2030年のネットゼロ達成が目標に掲げられた。そのための主な方策が自家用車利用の大幅削減で、2030年以降、空港ターミナル前への乗り入れをタクシー、ハイヤー、障害者の自動車、長期駐車の予約を行った旅客の自動車のみに限定し、その他の旅客は公共交通機関によるターミナルへのアクセスを求められる。駐車場スペースの大幅縮小でできる空き地(80ha)にはオフィスビルを新設し、駐車料金収入の減少をオフィス賃貸収入で補う。
公共交通機関としては、地下鉄14番線が今年6月にオルリー空港まで開通し、2027年には18番線が新たに開通する予定となっている。ただし、地下鉄車両内に大型スーツケース用スペースが予定されていない、本数が少ない、早朝勤務の職員にとって必要な始発時刻繰り上げが予定されていないといった課題は残る。エネルギーのグリーン化に関しては、空港敷地内で太陽光、地熱、メタン化によるエネルギーの生産を行って周辺住民向けに提供することのほかに、旅客機向け水素やバイオ燃料の新ステーション建設が計画されている。また、生物多様性保護のため敷地内に30%の草地を残す。
なお、旅客増に対応するため、オルリー第2ターミナルと「スカイブリッジ」で結ばれる新たな搭乗ゲートが建設される予定。