トコジラミ繁殖が政治問題に

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

トコジラミ(南京虫)の繁殖が目立ち、懸念が広がっている。政治問題としてクローズアップされるに至っている。
この数日間で、トコジラミの発見の報告がSNS等を通じて拡散している。映画館の中や、高速鉄道(TGV)などの列車内、さらに、パリ・メトロの8号線でも、運転士により発見の報告がなされた。トコジラミの繁殖は以前から問題視されていたが、政府は2017年に、立法措置を講じるのを見合わせ、代わりに啓蒙キャンペーンと電話相談窓口の開設などを柱とする対策プランを導入した。これまでで成果は上がらず、被害は拡大している。パリにとどまらず、全国的にも繁殖が広がっている。
トコジラミの問題を熱心に取り上げてきた左翼政党「不服従のフランス(LFI)」からの突き上げは大きく、与党内にも積極的な対応を求める声が上がっている。ボーヌ運輸担当相は9月29日、対策会議を10月初旬に開くと予告。すべての当事者らの協力を得て状況を正しく把握した上で、必要な対策を進める考えを示している。住宅保険の付保の対象にトコジラミ被害を加えることを求める声なども上がっている。