2022年に賃金大幅上昇:インフレ率には及ばず、所得は実質減

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

3月24日に労働省調査機関DARESが発表した統計によると、ワーカー(ブルーカラー及びホワイトカラー)の1時間当たり基本給は2022年10-12月期に、前の期比で0.8%の上昇を記録した。前年同期比では4.5%上昇、この上昇率は前の期(7-9月期)と同じだった。
民間部門の給与所得者全体では、月額給与指数が10-12月期に前の期比で0.7%上昇した。前年同期比では3.9%の上昇を記録。上昇率は前の期の3.7%を上回った。
2022年通年では、消費者物価指数(たばこ除く)が6.0%上昇している。従って、物価変動を考慮した実質ベースでは、ワーカーの1時間当たり基本給は2022年通年で1.5%、給与所得者の月額給与指数は2.1%、それぞれ低下した。
給与水準は、過去最大の上昇率を記録したが、インフレ亢進のために実質所得は目減りしている。政府はこのため、勤労者の所得増強に力を入れる構えを示しており、マクロン大統領も、先のテレビインタビューの際に、産別最低賃金の引き上げを呼びかけるなどして、経営者側に努力を促していた。年金改革への反対運動が長引く中で、政府は所得増強などで譲歩を示すことで、状況打開の糸口を探っている。