年金改革反対の抗議行動、過激化も

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3月23日に全国で年金改革反対の抗議行動が行われた。一部で破壊行為や暴力的な衝突が発生した。
全労組統一の抗議行動の開催はこれが9日目となった。全国のデモ行進には警察発表で108万人が参加。7日(火)と同程度の動員が達成され、政府の予測を上回る水準に達した。マクロン大統領がテレビインタビューの機会に、年金改革の実行に決意を示し、新たな譲歩を拒否したことに反感を持つ人々が多く参加したと考えられる。パリでのデモの参加者数は最大規模に上ったが、デモに乗じた破壊行動も多く発生。オペラ座広場からグラン・ブールバールと呼ばれる大通りにかけての一帯で商店破壊やキオスク、ゴミ箱等への放火といった事案が多数発生した。22時時点の集計では、全国で治安部隊員149人が負傷し、172人(うち103人がパリ)が逮捕された。ボルドー市では、市役所の扉が放火される騒ぎもあった。今後、打開の展望がないまま抗議行動が続き、過激化する懸念もある。労組側は28日(火)に統一の抗議行動を再度行う予定で、この週末にも地域単位で抗議行動を展開する。
全国の製油所等のストライキでは、出荷を確保するために当局が徴用に乗り出した。ガソリンスタンドにおける燃料品切れ・品薄は、南仏とブルターニュ地方の一部で顕著で、30%を超えるガソリンスタンドが品切れ・品薄となっている。