地下水系の水位が回復せず、今夏には厳しい水不足も

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BRGM(地質・鉱山研究局)が13日に発表した報告によると、地下水系の水位は全国的にみて極めて低い水準にある。このまま冬季に十分な降水量が得られなければ、夏季にかけて厳しい水不足に陥る恐れがある。
これによると、ブルターニュ地方とアルザス地方を除く全国の4分の3余りの地域では、地下水系の水位が平年並みを下回る水準にある。その程度は地域により異なるが、特に南仏ニース地方では、100年に一度という大規模な水不足が続いている。
2022年はフランスにとってこれまでで最も暑い年の一つだったが、降水量の不足でも突出しており、平年より25%程度も少なかった。このため、地下水系の水位は既に低い状況にまで下がっている。春季が訪れて、地表の植生が生育期を迎えると、降水が植生に吸い取られて、地下水系の水位上昇に貢献しなくなるため、現状では、3月末までに平年を大きく上回る降水量が確保されることが、次の夏季を大過なく乗り切る上で必要になると考えられる。それが注文通りに実現するとは限らず、一部地域では農業生産に大きな打撃が出る恐れもある。既に、ピレネー・オリアンタルなど約10県では水の利用制限の適用が継続されている。