サッカーW杯決勝、フランスは惜敗

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

ドーハ開催のサッカーW杯で18日に決勝戦が行われた。アルゼンチンがPK戦の末にフランスを下し、3回目の優勝を飾った。フランスは2連覇と3回目の優勝をかけて決勝戦に臨んだが、届かなかった。
決勝戦は前半にアルゼンチンが2ゴール(うち1ゴールはメッシのペナルティ)を決め、楽勝かと思われた。フランスチームは、準決勝まで攻守に活躍のグリーズマンが、これまでの試合でだいぶん痛めつけられたためか精細を欠き、攻撃がつながらなかった。相手チームがエムバペに気を取られている隙にグリーズマンが組み立ててゴールを決めるという方程式が機能しなかった。おそらくアルゼンチンの対策もあったのではないか。逆に、グリーズマンが下がった終盤71分以降は、気が抜けたのかアルゼンチンの選手の疲れも見え、エムバペのフェスティバル状態となり、低い姿勢からの目の覚めるようなシュート(80分)を皮切りに、やはりエムバペのペナルティ(81分)で同点に追いついた。延長戦ではメッシのゴール(108分)に再びエムパベのペナルティ(118分)で追いつき、PK戦にまでもつれ込んだ。PK戦では、ここまで何度となく名プレーでチームを救ってきたキーパーのロリスが精細を欠いたこともあり、4対2でフランスはあっさりと敗れた。エムパベは今大会8ゴールで、メッシ(7)を抜いて得点王となり、終盤の活躍で報酬の高さを正当化したが、2連覇の立役者としてレジェンドになることは叶わなかった。
マクロン大統領は、準決勝戦に続いて決勝戦も観戦。試合後にはピッチに降りて、落胆しているエムバペを激励したり、ロッカールームを訪れて国民を代表して謝意を述べる姿を自ら動画で配信したりと、何かと前面に出て活躍した。野党勢力からは、場違いの行動だとマクロン大統領を批判する声も上がっている。他方、決勝戦のテレビ中継はフランスでは2410万人が観戦。視聴率(占拠率)は81%に上り、これは歴代のすべてのテレビ番組の中で最高の記録となった。W杯の無料放送の中継権はTF1が7000万ユーロ前後で独占的に獲得。全部で28試合を放送した。この種の権益獲得は、利益の達成よりも、ブランドイメージの確保を目的に行われるというが、フランスチームが決勝まで進み、視聴率記録も更新されたことから、投資の全額近くを回収できたものとみられている。