ラシオタ造船所にシップリフト、豪華ヨット向け事業に対応

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南仏の地中海岸に位置するラシオタ港(ブーシュデュローヌ県)にあるラシオタ造船所に、4300トンのシップリフト「アトラス」が整備された。近年増加を続ける豪華ヨットの保守・改造需要を呼び込むための不可欠の装備が整った。
アトラスは全長115メートルまでの大型ヨットを上架できる。2万3000平方メートルの作業プラットフォームもあわせて整備され、複数の船舶の作業を同時に進められる。
ラシオタ造船所は1994年以来、公社組織のLCS(ラシオタ・シップヤード)が保有。新たな施設には、官民協力により合計で7700万ユーロが投資された。運営するのは、プロジェクト入札を経て選定されたMB92ラシオタ社で、同社は4750万ユーロの投資費用を負担した。35年契約で施設を運営する。同社は、80メートル超級のヨットの保守・改造を専門とする伊MB92の子会社で、MB92は昨年にこのクラスのヨットの改造を60件こなしたが、うち17件はラシオタで行った。アトラスを得て、MB92ラシオタは年商1億ユーロの達成を目指し、従業員数は180人とする。
80メートル超の大型ヨットは、2001年には世界で30隻余りを数えるだけだったが、現在は188隻に上る。これは、30メートル超級のヨット(6270隻)の3%に相当する。2026年までには20隻程度が新たに就航する見通しで、関連サービスの市場規模も拡大が望める。