食品小売大手カルフールは5日、パリ南郊のマシーとサクレー間で、自動運転車両を用いた配達の試験運用を開始した。地元の自治体などから数ヵ月間を対象に許可を得た。
自動運転車両は仏ミラ・グループ(Milla Group)が製造。通信はブイグ・テレコムの5Gネットワーク経由で確保される。ベンチャー企業Goggo Networkが自動運転システムを開発、運用を請け負った。なお、Goggoは2019年末に、ソフトバンクとアクセルシュプリンガー・デジタルベンチャーズから合計で4400万ユーロを調達していた。
アプリ又はサイト経由で受けた注文品が配達される。マシーにあるカルフールのスーパー店舗から、サクレーにあるポリテクニク(理工科学校)キャンパスの学生寮前までの15kmの公道(時速制限70km)を走行し、注文品を輸送する。SMSにて開錠用のコードが送付され、注文した人は到着した車両を自ら開けて注文品を回収する。車両は再びマシーに戻り、新たな注文に対応する。
当初は車両には運転手が常駐して不測の場合に対応するが、将来的には運転手を置かずに、複数の車両を同時に運用することを目指す。コスト削減に加えて、このところ鮮明になっている運転手の人手不足への対応の手段とする。カルフールはこの試験導入で、デジタル技術を取り入れる企業という評判を固めることを目指す。