フランスパン(バゲット)がユネスコ無形文化遺産登録

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ユネスコ(国連教育科学文化機関)は30日、フランスが提案していた「バゲット・パン」の無形文化遺産登録を決定した。
フランスは2021年初頭に、バゲット・パンの登録提案を行うことを決めた。パリのトタン屋根とジュラ地方のワイン祭りも候補に挙がっていたが、政府は結局、バゲットの提案を決めていた。ユネスコは、パン職人の技術と、食生活に欠かせない要素であるバゲットを取り巻く文化的背景を、無形文化遺産として登録した。
フランスを象徴するアイテムとして内外で知られるバゲットは、現れたのが20世紀初頭であり、さほど古くない。当初は高級品で、庶民はより大きく、保存がきく「田舎パン」の方を好んでいた。両大戦間の時代に普及が始まり、農山漁村にまで浸透するのは1960年代を待たなければならなかったという。1970年には、全国にパン職人のベーカリーが5万5000軒(人口790人に1軒)を数えたが、現在は3万5000軒(2000人に1軒)まで減少しており、伝統には陰りも見える。