仏インフレ率、11月に6.2%:個人消費は後退

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

11月30日発表のINSEE速報によると、11月のフランスのインフレ率(前年同月比)は6.2%となった。前月と同じ水準が続いた。消費者物価は前月比では0.4%上昇、前月の1.0%の上昇からやや鈍化した。食品に限ると、前年同月比で12.2%の大幅な値上がりを記録。前月(12.0%上昇)より上昇の勢いは加速した。
インフレ率が高い水準を続けているのと並行して、個人消費には陰りが出ている。10月の個人消費は前月比で2.8%減を記録。前月の1.3%増から減少に転じた。前年同月比では5.9%の後退を記録した。前月比での推移をみると、エネルギー製品の消費が7.9%減と大きく後退。これは、エネルギー価格の後退に伴い、家計が消費を絞り込んだことを示唆している。ただし、平均気温が高めで推移し、暖房需要などが小さかったことも影響していると考えられる(前年同期比では11.5%減)。食品の消費も前月比で1.4%減を記録。食品については後退が続いており、直近3ヵ月をその前の3ヵ月間と比べると、実に2.5%の後退を記録。全製品の0.7%減を上回り、特に後退が目立った。物価上昇の影響を受けて、家計が消費行動を修正していることがうかがわれる。