水道犬が漏水をチェック、エソンヌ県水道会社が試験導入

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パリ首都圏のエソンヌ県内で、水道水の漏水を犬で検出するユニークな試みが始まった。公営の水道会社オー・ウエスト・エソンヌが民間企業の協力を得て開始した。
オー・ウエスト・エソンヌは、エソンヌ県内のドゥルダン市を中心とする17市が共同で設立した公営企業で、全長250kmの水道を管理している。同社によれば、漏水率は20%近くに達し、探知機を用いた巡回で漏水箇所を検出しているが、探知機が入りにくい場所でのチェックを費用を抑えつつ行う目的で、犬の嗅覚を活用することを思い立った。陸軍で軍用犬部隊を率いた実績があるフランソワ・ブルドー氏が立ち上げたK9-cyno社がこれに協力。訓練を受けた2匹の犬が、この11月に230kmの水道管を1週間余りで調査した。水道管が埋設された地面の上を犬は進み、漏水が疑われる個所があると知らせる。同じ作業を2匹で別々に行って結果を照らし合わせる。犬には水道水の匂いを嗅がせて、その塩素の匂いを見つけさせる。水道管から漏水が始まる前に、亀裂個所からは気体が先に漏出することから、犬を使えば漏水前に先手を打って問題個所を見つけ出すことも可能だという。犬が指し示した場所を対象に、1月には水道管を掘り返して確認と修理の作業が行われることになっており、フィードバックが両社の間で共有される。