フランスで電気電子製品の修理奨励金制度が動き出す。12月15日に運用が開始される。対象製品のリストと奨励金の金額が11月15日に発表された。
奨励金制度は、電気電子製品の廃棄物の回収とリサイクルを担当する「エコオルガニズム」のEcosystemとEcologicの2団体が運営する。エコオルガニズムは、メーカーが製造者責任を全うするために設立することを義務付けられている団体で、その運営費用はメーカー側が負担する規定になっている。奨励金制度も、メーカーの資金負担で運営され、2027年までに4億1000万ユーロが拠出される予定となっている。金額は10-45ユーロと大きくないが、修理費の2割程度相当を援助することで、新品の買い替えよりも修理を選択する人を増やし、廃棄物の発生を少なくすることを目指す。
発表されたリストによると、2022年中には、掃除機(奨励金支給額は15ユーロ)、洗濯機(25ユーロ)、ドリル(15ユーロ)、冷蔵庫・冷凍庫(25ユーロ)、タブレット(25ユーロ)、スマホ(25ユーロ)、テレビ(30ユーロ)が対象となる。続いて2023年からは、電動自転車・電動キックスケーター等(15ユーロ)、ノートパソコン(45ユーロ)、電気ケトル・トースター等(10ユーロ)、アイロン(10ユーロ)、乾燥機(25ユーロ)、デジカメ(20ユーロ)、ゲーム機(20ユーロ)が対象となる。その後も対象製品は順次拡大される。
保証期間内の製品は、奨励金支給の対象とはならない。奨励金の支給を受けるには、指定の修理業者(「QualiRepar」ラベルを取得した業者)に製品を持ち込まなければならない。指定業者数は、2023年に1500、2027年には1万を目指すが、十分な業者数の確保が成功の鍵を握ることになる。