独自のY型電動歯ブラシを開発した仏Fasteeshはこのほど、本社のあるリヨン市の郊外に生産拠点を確保した。量産体制を整えて拡販に乗り出す。
Fasteeshは2017年の設立。Y型の電動歯ブラシ「Y-Brush」(y-brush.com)は、マウスピースのような形をした歯ブラシで、10秒で完全かつ適切な歯磨きを完了する。同社は複数の特許を取得して自社製品の知財権を固めて、インターネット販売を始めたが、2020年には前年比で3倍増の2万台を販売。毎年3倍増のペースで増えている。
同社はリヨン市郊外のカリュイールエキュイール市に1500平方メートル強の建物を確保し、自社で開発した製造ラインを設置した。約1000万ユーロを投資し、3つのモデル(一つは子ども向け)を柔軟に製造する自動化ラインを整備した。
製品は79ユーロからの価格設定で、6ヵ月ごとに消耗品の歯ブラシを取り換えるサブスク契約も用意した。現在は、自社サイトのほかに、ダルティ、ブーランジェ、FNAC、アマゾンが取り扱っており、近く薬局を通じた販売も開始する。高齢者施設などの医療型機関への売り込みも目指す。輸出はイタリア向けなどの実績があり、オンライン販売では3割が外国向けとなっているが、外国市場への浸透もこれからの課題となる。同社は2年以内に資金調達を行って成長のための資金を確保する計画。