農業貯水池の建設反対運動、治安部隊と衝突も

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ドゥーセーブル県サントソリーヌ市で29日、農業用水の貯水池建設計画に反対する環境派による抗議行動が始まった。同日には、治安部隊隊員のうち60人程度が負傷、抗議行動の主催者側によると、デモ隊参加者にも50人程度の負傷者が出た。
同地では、トウモロコシ等の灌漑用に65万平方メートルの貯水池を建設する計画が進んでいる。雨水に加えて地下水で水量を確保する計画だが、環境派は、気候変動で水資源が乏しくなる中で、産業的農業が資源を独り占めにするのは不当だなどと主張して、工事開始を前に抗議行動を開始した。初日の衝突に続いて、30日にも県庁側の把握では2000人程度のデモ隊が残り、送水管を切断したり、工事を妨害するための「見張り台」を作るなどの行動を展開した。当局は特に、ナント新空港の建設反対運動の際に発生した反対派の占拠運動「ZAD」の再来を警戒しており、活動家の動きを封じ込めるため、1000人近くの治安部隊の派遣を継続する。
初日の29日には、環境政党EELVのジャド欧州議員やルソー下院議員なども現地を訪れ、抗議行動を支持した。ダルマナン内相は30日、デモ隊が暴力を行使し、平和的な抗議行動ではまったくなかったと主張。秩序を守るために断固として対応するとし、政治家らが揃って暴力を糾弾しないのは遺憾だと言明した。