下院、内閣不信任案を否決:RNがNUPESに合流のハプニングも

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下院で24日、内閣不信任案の採決が行われた。予想通りに不信任案は否決されたが、極右RNが左派連合NUPES提出の不信任案に賛成票を投じるというハプニングがあった。
内閣不信任案は、予算法案が投票を経ずに採択されたことから提出された。政府は先週に、憲法第49.3条が定める規定を発動し、投票を経ずに予算法案の採択を宣言。この場合、内閣不信任案が可決されれば、法案の採択は白紙に戻され、内閣は総辞職することになっている。政府によるこの措置の発動を受けて、左派連合NUPESと極右RNはそれぞれ内閣不信任案を提出、それが24日に審議された。
極右RNのマリーヌ・ルペン議員団団長は、事前に表明していた方針を転換し、状況に鑑みて「政府の重大な過ちを正すための厳正な意思表示をする」べき時である、と説明した上で、自らが提出した不信任案だけでなく、NUPESが提出した不信任案にも賛成票を投じると議場で表明した。これにより、NUPESの不信任案は239票の賛成を得たが、採択に必要な289票には遠く及ばなかった。
NUPESの側では、RNと共闘する可能性は一切ないと主張しているが、RNは今回の投票により、存在感を示すことに成功した。その一方で、NUPESとRNを合計しても過半数には遠く及ばないため、鍵を握るのは保守野党の「共和党」であることが明確に印象付けられた。共和党のマルレ議員団団長は、内閣を辞任に追い込めるのは「共和党」が提出する不信任案だけだと言明、それが必要な時が来たら提出に踏み切る考えがあることも明らかにした。