ボルヌ首相、自動車燃料の割引制度継続を予告

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

ボルヌ首相は16日夜のテレビインタビューの機会に、自動車燃料の割引制度の継続を予告した。政府は去る9月に、自動車燃料の小売料金に1リットル当たり30セントの割引を適用する制度を導入。割引額を11月1日付で10セントに引き下げ、次いで12月末日を以て廃止し、別の措置を導入する方針を決めていた。ボルヌ首相は今回、11月15日まで30セントの割引額を維持することを予告。首相はまた、大手トタルエネルジーが自主的に実施している20セントの追加割引についても、11月15日まで適用が延長されることが決まったと明らかにした。
製油所ストにより市中の自動車燃料不足が継続する中で、政府はこの発表をすることで、国民の間で不満が高まるのを避けることを狙ったと考えられる。首相はまた、貯蔵所の徴用を決めたことについて、政府としてしかるべき責任を果たしたものだと弁明し、政府は解決を図るために労使交渉の進展を後押ししてきたとも説明。あわせて関係各方面に対して責任ある対応を促した。
燃料割引制度は、4月から8月にかけて1リットル18セントで導入され、9月に30ユーロに引き上げられていた。4月から8月までで約30億ユーロの費用が国に発生。9月以降の分については、当初予算が46億ユーロで、今回の15日間の延長ではさらに4億4000万ユーロの費用が発生する見込みとなっている。政府部内では、堅実な財政運営を求める勢力との間で対立があったが、大統領裁定を経て、社会の安定を優先する方向で決定が下ったという。財政健全化を重視する立場のルメール経済相は17日、割引額の据置に関する決定を確認した上で、年内に現行制度を打ち切り、受益者の的を絞った別の支援措置に移行する方針であることも確認した。