インフレ亢進を受けて賃上げ要求が各所で高まっている。
主要労組CGTは、FSU及びソリデールの合流を得て、29日に全国規模のストを予告している。このストは、購買力増強と労働者の権利擁護(失業保険改革への反対)、年金改革への反対を訴えて行われる。公共交通機関のダイヤが48時間に渡り大幅に乱れる恐れがあり、トラック輸送部門でも影響が出るものとみられる。また、小中高校でもストが予定されている。
CGTはこれと関連して、石油大手トタルエネルジーの国内製油所を対象に27日より3日間にわたりストの実施を予告。労組側は10%の即時賃上げ(2022年分)と、採用凍結の解除、国内製油所への巨額投資を要求している。製油所を封鎖し、給油所への供給を断つことも辞さないと予告している。
これ以外でも、賃上げを求める動きは様々な企業に広がっている。グルパマ(保険)では、6労組(CFDT、CGT、FO、CFTC、UNSA、CFE-CGC)が合同で異例のストを27日に開始。インフレ率(5.9%)並みの賃上げを全従業員を対象に実施するよう要求している。他方、自動車大手ステランティスは27日、仏国内の従業員を対象にした特別賞与の支給を予告。給与水準が法定最低賃金(SMIC)の2倍までの従業員について10月に1000ユーロを、2-3倍の間の従業員については500ユーロをそれぞれ支給する。また、時短休暇(RTT)3日分の返上も任意で可能にする(ワーカーでは平均400ユーロ、管理職では600ユーロに相当)。従業員向けの利益分配制度の枠内での社内預金の取り崩しに関する労使交渉の開始も予告した。賃上げには今のところ応じない構えだが、12月に前倒しで交渉を開始することは受け入れた。