マクロン仏大統領、エネルギー節約を国民に呼びかけ

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポートエネルギー・環境レポート

マクロン大統領は9月5日に記者会見を開き、エネルギー問題について見解を披露した。大統領はこの機会に、すべての国民が少しずつエネルギー節減に協力すれば、今冬にエネルギー不足で供給制限等の措置を導入するのを避けられると言明し、広く協力を呼びかけた。暖房の設定温度を下げるなどの努力で効果が上がると強調した。
大統領はこの機会に、国内の原子炉稼働率が低い水準にとどまっている問題で、EDF(仏電力)の対応を非難する発言をした。名指しは避けたが、退任が決まっているEDFのレビCEOの最近の発言を念頭に、「原子炉の保守に責任を負ってきた人々が、今になって、問題の責任が国にあると述べている。これはまったくの虚偽であり、受け入れ難い」と言明。大統領は、自身が就任直後から原子力業界に展望を示した(原子力の電源ミックスに占める割合を50%に引き下げるとの目標の達成時期を10年延期したことを指す)ことを挙げた上で、2022年5月の前任期満了の直前に原子炉新設の方針を決めたのは事実だが、それで手が回らなくなって原子炉保守が疎かになったという主張はまったくとるに足らないと反論した。なお、レビCEOは、8月末の経営者団体主催のイベントの際に、同時進行で多数の作業を進めなければならず、有資格の作業員が足りていないと言明。その育成には2、3年がかかるとした上で、十分に作業員が確保されていない理由としては、「原子力は縮小する、原子炉閉鎖を準備せよ」と言い渡されてきたからだなどと述べていた。