Heole、太陽電池セルを組み入れたセイルを開発

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

仏ベンチャー企業Heoleは、太陽電池セルを組み入れた帆船用のセイルの開発に成功した。このほど初のプロトタイプが完成した。
完成したプロトタイプは90平方メートルのセイルで、うち12平方メートル分に太陽電池セルが組み入れられている。セルは、シリコンを使用せず、半透明のポリマーを採用。両面のいずれからも太陽光を取り入れて発電する。曇天や、朝夕の弱い光でも発電が可能で、操船者は、太陽光の向きに応じてセイルを操作する必要はない。当初は、船上の電気機器(冷蔵庫、パソコン、計器)への電力供給を目的とするが、将来的には、モーター稼働用の電力供給を通じて、船舶のゼロエミッション化への貢献も目指す。
プロトタイプは従来型のセイルと重量面で違いはない。スキッパ―のマルク・ギユモ氏が実際の状況で使用し、堅牢性のテストを行うことになっており、ギユモ氏は特に、11月6日にサンマロ市を出発する単独ヨット大西洋横断レース「ルートデュラム」にこのセイルを採用して出場する。
Heoleは2021年にバンヌ市で発足した。セイルを応用して、貨物船への採用のほか、トラック荷台のシート、テントといった用途を開拓する計画。25万ユーロの初の資金調達も準備中で、獲得した資金で、2023年にもセイルの市販を開始することを目指す。