ルノーのデメオCEOは8月7日付け日曜新聞JDDとのインタビューで、ルノーの現状について「ルノーは緊急治療室から退院した」と回復に向かっていることを強調し、過去数年来で最良の業績を記録しており、2021年1月に発表した戦略プランを2年も前倒しで実現しつつあると指摘した。CEOは、インフレが利益を圧迫し、半導体不足で生産台数が予定を下回り、ロシアからの撤退の影響で株価が暴落したことなどにも触れて、こうした逆風の中で、好業績を達成し、再編を推進するのは容易ではなかったと語った。
ルノーの市場ポジショニングについて、CEOは「妥当な価格の自動車を生産する大衆車ブランド」という従来からの位置づけを堅持し、競合のプジョーよりも1割程度安い自動車を大量生産し続ける方針を示し、ルノーを高級車メーカーに変身させる意図はないことを明言した。そのうえで、以前のように、「トゥインゴ」や「クリオ」のような安価な小型乗用車が販売台数の7割を占める状況が続いては、競争に勝ち残るための投資に必要な資金を稼ぎ出すことができないとし、量よりも価値を優先する新たな戦略を説明。より価値の高い自動車を提供し、それに見合った価格を顧客にも支払ってもらうのが当然だと述べた。
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