ルノーはグルノーブルのスタートアップ企業Phoenix mobilityと提携合意を結んだ。Phoenix mobilityは2019年の創業で、ディーゼル・ガソリン商用車を電気商用車に改造するレトロフィット技術を開発している。同社は2023年からルノーに改造キットを供給する予定で、キットは主にルノーのフラン工場などで生産される予定。
Phoenix mobilityはまず2023年から2024年にかけて、およそ1000台の改造キットを「ルノーマスター」に搭載し、「概念実証(POC)」を行う。次に、2024年から2025年にかけて、より大規模な展開を予定している。ルノーとの合意を実施するため、Phoenix mobilityは向こう半年間に32人を新規採用し、2023年にも20人程度を追加採用する。また生産施設も拡張する。
同社が開発したキットを用いると、わずか数時間での改造が可能で、コストも1万5000-2万5000ユーロですみ、従来の方式による改造に要するコスト(5万ユーロから10万ユーロ)を大きく下回る。同社の年商はまだ数十万ユーロ規模だが、すでに150万ユーロの受注を得ているという。都市部では内燃エンジン車の走行を制限・禁止する地区が増えており、電気自動車への改造キットの需要は増えると見込まれている。