仏カルビオス(Carbios)はこのほど、衣料の4ブランドと、ポリエステル繊維のリサイクル事業で協力する合意を結んだ。独プーマ(スポーツ用品)、スイスのOn.running(ランニングシューズ)、米パタゴニア、仏サロモン(スキーウェア)の4社と協力し、ポリエステルの循環経済を確立することを目指す。
カルビオスは、酵素を用いてポリマーを分解し、モノマーからポリマーを製造し直す手法を開発。これまでに、PETボトルのリサイクルで、仏ロレアル、スイスのネスレ、米ペプシコ、サントリー欧州事業会社とコンソーシアムを組んだ実績がある。PETと組成が同じ繊維用のポリエステルでも、アパレル4社との提携により、回収と選別のリサイクルルートの確立から、リサイクル材料を用いた製品の製造までの循環サイクルを完成させるために協力する。
カルビオスによれば、繊維用ポリエステルはPETの年間生産(1億トン)のうち3分の2を占めており、回収の道筋が立てば容器用PETよりはるかに市場規模が大きい。向こう2年間で産業ベースに乗せることが目標となり、仏タイヤ大手ミシュランのクレルモンフェラン市の工場内に整備した実証プラントがこのプロジェクトにおいても活用される。カルビオスはまた、ムルトエモゼル県ロンラビル市に工場を開所する予定で、同工場では5万トンの廃棄物の処理能力が確保される。