トタルエネルジー、インドでグリーン水素事業を展開

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仏石油大手トタルエネルジーはこのほど、インド企業アダニ・グループとの合弁で、インドでグリーン水素事業を展開すると発表した。トタルエネルジーが75%を出資する合弁企業アダニ・ニューインダストリーズ(ANIL)を設立した。同社は、向こう10年間でグリーン水素及び関連事業に500億ドル超を投資する計画で、2030年時点で年間100万トンの生産能力の確保を目指す。なお、インド政府は、2030年までに国内でグリーン水素500万トンの生産を目標とする戦略を策定しており、この枠でANILにも多額の補助金が支給される見通し。
ANILは、発電施設(太陽光、風力)の整備、電解槽等の装備の製造、グリーン水素の生産、そして水素を原料とする派生品(肥料等)の製造に至るバリューチェーンの全体の育成に取り組む。第1段階として、太陽光・風力発電施設4GW相当を整備し、これに2GWの電解槽を組み合わせて、得られた水素から尿素を製造するプロジェクトに着手する。輸入肥料への依存からの脱却が目的となる。このプロジェクトの費用は50億ドルに上る見込み。
トタルエネルジーは、2050年の時点で、事業の構成を、化石燃料25%、再生可能電力50%、脱炭素分子(水素、バイオガス、バイオ燃料)25%とすることを目指している。現在は92%が化石燃料であり、目標の達成のために、再生可能エネルギーと脱炭素分子への大型投資が必要になる。