総選挙:バルス元首相が早々と落選

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

総選挙の第1回投票は12日に行われるが、一部の海外領土と、外国居住者を代表する議員の投票は一足早く、5日までに行われた。イベリア半島及びモナコの選挙区においては、マクロン大統領の与党連合の公認を得て立候補したバルス元首相が得票率3位で決選投票に残れず、早々と落選した。
バルス氏は、オランド左派政権で2014年から2016年まで首相を務めた。マクロン大統領はバルス首相の下で経済相を務めた仲だが、両者の関係は良好とは言えなかった。バルス氏はその後、社会党を離れ、2019年にはスペイン・バルセロナ市市議会選に中道政党シウダダノスから立候補した(バルス氏はスペイン系)が、期待した結果を得られず、同市議からは2021年に辞任し、フランスに戻って本格的な政界復帰のチャンスを探っていた。
今回の選挙では、左派連合NUPESのルベール候補(環境政党EELV所属)が得票率27%でトップ。マクロン大統領のLREM党の現職議員で、与党連合の公認を得られないまま立候補したボレッタ候補が25%の得票率で2位となり、決選投票は両者の間で争われることが決まった。決選投票ではボレッタ候補が有利とみられている。バルス氏の落選は、与党連合が有権者に支持される公認候補を選べていないことを示唆する事件である一方で、マクロン大統領がバルス元首相を厄介払いするため、勝ち目のない選挙区を与えたという穿った見方もある。