フランスでは観光客の客足が目立って回復してきた。外国人観光客も増えている。新型コロナウイルス危機が一段落した影響が大きい。
パリでは、エッフェル塔やルーブル美術館等の予約状況が好調で、危機前の水準に回復しつつある。エッフェル塔では、復活祭の週末に1日当たり2万2000人の入場者数を記録、これはほぼ満員の盛況であるという。ただし、学校休暇以外の週ではまだ余裕があり、入場者数のうち25%が地元民と、平時と比べて2倍の水準であることも、観光客の回復が完全ではないことを示唆している。米国人観光客が全体の12%を占めており、回復が目立っているのは好材料で、ウクライナ紛争の影響が懸念されたほど大きくないことがうかがわれる。
平時は全体の半分を占めるビジネス客の回復はまだ遅れており、これは、ホテルの客室稼働率が週日には低いことに現れている。それでも、RevPAR(客室当たり収入)は復活祭があった4月11日の週に危機前の2019年を上回る水準に達した。1-3月期ではパリのインバウンド観光客数は危機前に比べて15%少なかったが、年内に危機前の水準まで回復するものと期待されている。