24日(日)の大統領選決選投票を前に、20日夜にマクロン大統領と極右RNのマリーヌ・ルペン候補によるテレビ討論が行われた。3時間弱に渡り両者が論戦を展開した。
テレビ討論は毎回恒例のイベントで、「名場面」として知られる言葉なども多いが、選挙結果を左右するほどの要因となることはほとんどない。今回の討論において、ルペン候補は、大統領としての適性をアピールするべく、自らの選挙公約の信頼性を強調することに力点を置いた。マクロン大統領の側では、ルペン候補の公約の非現実性を取り上げて攻撃する場面が目立った。激しくやりあう場面もあったものの、全体として嚙み合った論戦となり、同じ顔合わせとなった5年前の前回選挙の時のように、ルペン候補が意味不明の言葉を発して議論にならないといった場面はなかった。
視聴者650人を対象に番組後に行われた世論調査では、全体の59%がマクロン大統領の方が説得的だったと回答。ルペン候補の39%を大きく上回った。信頼性(マクロン大統領53%、ルペン候補28%)、国民の結集力(同36%と31%)、誠実さ(同36%と34%)、力強さ(同49%と31%)でもマクロン大統領が勝利した。半面、「変革力」ではルペン候補が51%、マクロン大統領が29%でルペン候補の方が評価が高く、「自分の問題により近い」候補者という点でも、ルペン候補が37%で、マクロン大統領の34%を上回った。