大統領選決選投票に進出した極右RNのマリーヌ・ルペン候補は13日に記者会見を開き、外交政策について説明した。ロシア寄りの姿勢を明確にした。
ルペン候補はまず、北大西洋条約機構(NATO)の軍事機構から脱退し、さらに、ロシア・ウクライナ戦争が終了して和平合意が結ばれた時点で、NATOとロシアの間の戦略的接近を図る、と言明。ロシアによる戦争犯罪の可能性とそれに対する対応については示さなかった。ウクライナへの武器供与の継続の是非については、「防護の手段」の供給について言及し、現在よりも後退させる考えを示唆した。
対中国では、「米バイデン政権は中国に対して過度に攻撃的」だとし、「フランスは中国と対等な関係を維持する」などと言明。欧州連合(EU)については、脱退せずに内部から改革すると言明した。気候変動対策における国際協力については、「気候変動で破局が訪れる」という考え方には賛同しないと述べて、気候懐疑的な姿勢を示した。
国際関係以外では、ルペン候補は「必需品100品目の付加価値税(VAT)撤廃」を公約に掲げている。「30才未満の所得税免除」、「全従業員の10%増給を決める企業向けの社会保険料減免措置」などの公約も掲げているが、それらの実現可能性や効果、財源については疑問の声が上がっている。ルペン候補はまた、国民投票を通じて国民に決定権を委ねるとも約束しているが、これについては、国会の頭越しに決定を下す手段を確保するのが目的とする批判がある。ルペン候補の一連の公約は、「黄色蛍光ベスト」派の主張とも通底しており、「反マクロン」票を取り込むのが狙いとみられる。