デリバルー・フランス、偽装請負で有罪判決

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パリ地裁は19日、デリバルー・フランス(フードデリバリー)とその元経営者らに、偽装請負の容疑で有罪判決を言い渡した。プラットフォーム型の業者が刑事訴訟で有罪判決を受けたのはフランスではこれが初めて。会社側は控訴を検討するとコメントした。
パリ地裁は、デリバルー・フランスに対して37万5000ユーロの罰金刑を言い渡した。2015年から2017年にかけて経営者を務めた2人の被告人は、執行猶予つき禁固12ヵ月の有罪判決を受けた。また、元管理職の被告人1名が、偽装請負共犯の容疑で、執行猶予つき禁固4ヵ月と1万ユーロの罰金刑を言い渡された。さらに、会社は、原告を代表する5労組に対して各々5万ユーロの損害賠償を支払うよう命じられた。裁判所は求刑に沿った有罪判決を言い渡した。
パリ地裁は判決の中で、配達員がどのように感じていたかとは関係なく、会社側が、雇用契約であるべき関係を、自営業者の身分の者への委託であると組織的に偽装していたのは明らかだと認定し、厳しい有罪判決を下した。裁判の機会には、10人程度の配達員が証言し、就業時間を自由に、柔軟に選べるという建前とは裏腹に、会社側からの圧力や監視が強く、よい時間帯を得ようとすれば厳しい競争になるなどと会社側の姿勢を批判した。今回の判決が、プラットフォーム型の事業者のビジネスモデルに厳しい修正を促す結果を招く可能性もある。