大統領選:EELVのジャド候補陣営に内紛、メランション候補に追い風か

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト

環境政党EELVのジャド大統領候補の陣営に内紛が生じている。党の予備選をジャド候補と争ったサンドリーヌ・ルソー氏が、選挙キャンペーンにおける役職から解任された。ルソー氏は党内の左派に属し、現実的な環境政策の推進を掲げるジャド候補とは対立点が多い。3日付の日刊紙ルパリジャンは、ジャド陣営を公然と批判するルソー氏のコメントを発表、これを受けてジャド候補がルソー氏の解職に踏み切った。ジャド候補は世論調査における支持率が5%程度で低迷しており、どのみちチャンスはないが、EELVの内部の分裂がこれで鮮明になれば、その後の党の政局運営は困難になる。ルソー氏が左翼政党「不服従のフランス」のメランション候補に合流する可能性もささやかれている。
そのメランション候補は支持率が平均で11.4%と、このところ上昇傾向を示している。左派の各候補の支持率が低迷しており、有権者層の一部が、唯一10%を超えているメランション候補の支持に回っている可能性がある。ただ、一波乱を起こせる候補になれる可能性は低く、特に、ロシアびいきの旧来の姿勢が仇になっている。ウクライナ侵攻後にはプーチン大統領を厳しく批判する立場に転じたものの、その世界観が事実により裏切られたばかりの政治家が多数派を形成できるとは考えにくい。