毎年恒例の農業国際見本市が26日、パリ・ポルトドベルサイユ見本市会場にて開幕した。3月6日までの予定で開催される。
農業国際見本市は、2021年には新型コロナウイルス危機を理由に開催が見送られた。今年は2年ぶりの開催となる。ちなみに、危機の初期に開催となった2020年には、予定を繰り上げて終了するという特別措置が講じられていた。今年はワクチン・パスによる入場制限と、会場内のマスク着用義務付けの下で、再開が実現した。
農業国際見本市は、政治家が多く訪れる重要イベントで、今年は大統領選挙が行われることもあって、候補者らがそれぞれ訪問するとみられる。ただ、折からのロシアのウクライナ侵攻という非常事態下でもあり、通常時のような雰囲気は期待できなくなった。マクロン大統領は26日朝、開幕式に出席し、2時間にわたり農業関係者らと懇談したが、異例の短時間で会場を離れ、ウクライナ情勢を中心とする公務に復帰した。大統領はこの機会に、「欧州に戦争が戻ってきた。我々は今日、未曽有で重大、歴史的な状況に立たされている」とし、「この危機は続く」とも言明。その上で、フランスと欧州は農民を支援し、エネルギー及びインプットの最大限の確保と、農家の所得の支援に努めると約束した。紛争により、飼料価格のさらなる高騰や、輸出市場の縮小、さらに化学肥料の確保の困難などが予想され、その対策が重要な課題となっている。マクロン大統領に代わり、カステックス首相とドノルマンディ農相が会場の訪問を続け、農民らとの協議に当たった。